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第2期プロジェクトに向けたプレセミナー活動報告
2024.08.27

第2期プロジェクトに向けたプレセミナー活動報告

8/22 第2回 プレセミナー開催

8月22日に第2期プロジェクトに向けたプレセミナーがオンラインで開催され、第1期のプロジェクトにご参加いただいた、長岡技術科学大学 物質生物工学分野 小松先生のチームメンバーが、プロジェクトの3ヶ月間のプロジェクトの体験談を語り、プロジェクトによる進展と成果を共有しました。研究テーマは「テラヘルツガスセンシング」であり、これは『閉店間際の“残念な”割引商品を減らし“財布とおなか”においしくご飯をたべることで日本や世界のフードロスに貢献したい』という想いが根幹にあります。

本プロジェクトは、テラヘルツ透過性膜の特性を活かした「においセル」の研究開発を基に、従来のガスセンサとは一線を画する精度、速度を実現し、感応検査を置き換えるべく、食品・農業分野への応用を検討しています。

「においセル」とは、THz透過性を有する多孔質セラミックスで、水和したにおい分子を孔内で吸着・安定化させ、ガス吸着前後のTHz信号変化(強度変化と位相差)から、においセンシングを短時間で行います。

 

事業活動概要(2024/4~2024/6)

チームは複数人で構成されており、その主なメンバーは、経営コンサルタントの方、スタートアップ取締役の方、そして、知財専門家の方と、KSP事務局で、これらのメンバーがそれぞれの専門分野での知見を持ち寄り、プロジェクトの成功に向けて協力しました。

 

事業化検討内容

本プロジェクトの基本的な考え方は、技術を活用して世の中の社会課題を解決する事業を創出することです。その上で、事業を大きな社会的インパクトを生み出す形に育てていくことを目指しました。

検討の方針として、短期的に見える用途だけに注目して事業開発を進めるのではなく、スタートアップとして何を達成したいのか、どのような社会問題を解決したいのかを重視しました。これに加えて、研究成果の用途探索にとどまらず、どのような市場でどのようなビジネスが可能か、ビジネスモデルの観点からも考えるようにしました。

第2期プロジェクトに向けたプレセミナー活動報告

プロジェクトは3月28日にキックオフし、6月29日に事業計画を策定し、実質的には3ヶ月間のプロジェクトとなります。

第2期プロジェクトに向けたプレセミナー活動報告

ビジネスの対象は食品と農業に分け、企業インタビューにより、食品分野では、官能検査の置き換えとして、においの見える化やデジタル化、農業分野では病気予防や熟度管理にニーズを見出しました。

 

今後の展望

今後の展望としては、試作開発を行い、2027年の製品化を目指しています。そのために、本プロジェクトにご関心のある方は、是非ディスカッションや協創をお願い致します。

 

プロジェクトに参加してみての感想

研究者:プロジェクトでの討論の場で分かりやすく説明することを心掛けたことで、メタ認識が向上しました。また、プロジェクトに参加する前は、社会実装を目指していた研究に対する世の中のニーズが不透明であり、単独での研究展開には限界を感じていましたが、プロジェクトに参加した後は、社会実装の具体的な分野が明確になり、新しい人とのご縁をいただき、自分では発想できなかった研究展開の新たな着想を得ることができました。
更に、プロジェクトに知財の専門家がメンバーとして加わったことで、研究シーズの特許性の可否の判断や特許化に関する手厚い援助を受けることができました。また、本プロジェクトを通して、企業とのNDA案件が発生し、さらに別プロジェクトの研究者とも知り合うことができました。

経営人材:参加してよかったことは、人脈が広がったことです。また、コンサルタントとして支援していた時とは異なる新たな視点や景色を見つけることができました。

最先端の新しい技術に触れ、研究成果を社会実装するためのノウハウを身につけることができました。

自分の専門分野とは異なる分野でしたが、特許出願のための名前を提案するなど、楽しく関わることができました。

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